前編『新型コロナ時代の認知症の人の暮らし・治療・そして拘束について』(2020.5.3 開催)齋藤正彦医師(東京都立松沢病院院長)・繁田雅弘医師

非営利団体

[2020.5.3 開催 SHIGETAハウスプロジェクト 特別企画]

いま、認知症の人をめぐる医療の現場では何が起こっているのでしょうか? 昨年創立140周年を迎えた東京都立松沢病院は、長く日本の精神科医療の中心的な役割を担ってきました。病院長を務める齋藤正彦医師は、精神医療における隔離や身体拘束の撤廃に力をつくしてきました。 新型コロナウイルスの感染流行を受けて、いま、精神科医療の現場で認知症の人に何が起こっているのか。そして、「コロナ後」に現場はどう変わっていくのか。齋藤正彦医師が歴史、いま、そしてこれからを語りました。 齋藤さんが院長として赴任した当初、病棟での拘束・隔離が当たり前のように行われていました。「縛られている人が何を思っているのか医師や看護師が知らなくてはならない」齋藤さんはまず感じたと言います。そして「診察室・ナースステーションを出て、椅子に座って患者さんと語り合う」ことを医師や看護師に呼びかけました。また、家族に積極的に病棟に入ってきてもらい、自分たちの仕事をしっかりみてもらうことを実践しました。齋藤さんは「不安な人ほど縛りたがる」と言います。外の目が入ることで自分の仕事に自信がもてるようになり、意識が変わっていきました。いま、拘束・隔離は8割以上減少しました。 新型コロナウイルスの感染拡大によって、マスクをつけさせる、病室にいてもらう、など様々な理由をもって、拘束・隔離へ流れていく可能性は強くなっています。齋藤さんは、そんなときこそ、「われわれは常に人権を侵害しているという意識を持つべきだ」と語ります。認知症の人は生きる主体であって治療される客体ではない。拘束・隔離するのであればその人にとって十分なベネフィットがあるのか、常に患者さん目線で考える視点が大切になってくると語ります。これからのあるべき認知症に関わる医療のあり方について、繁田雅弘医師が聞きました。

動画編集/平田知弘

この動画について
URLhttps://www.youtube.com/watch?v=mh7GYD7A1c0
動画IDmh7GYD7A1c0
投稿者栄樹庵 SHIGETAハウスプロジェクト
再生時間1:00:39
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