日露戦争と児玉源太郎ー原剛氏の講演会(リーダーシップの神髄とは③

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2月26日、「自然環境と人間性生活を考える会」主催で鎌倉生涯学習センターで 原剛氏(元防衛研究所戦史部所員、軍事史学会副会長)による『日露戦争と児玉源太郎』の講演会が開かれた。
原氏(74歳)は防大卒、陸上自衛隊の勤務が長く最終階級は1等陸佐。現・防衛研究所図書館調査員である。今回、放送されたNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」の軍事考証を手掛けるなど、日本軍事史の専門家で特に、国土防衛史が専門で『明治期国土防衛史』(錦正社、2002年)なる著書がある。
今回の講演テーマは明治期のトップリーダーの児玉源太郎の日露戦争での戦略、リーダーシップについてで、日露戦争の経緯から、日本軍の戦略,戦術、講和までのいきさつを軍事専門家の立場から詳細かつ、わかりやすく講演し、最後に「リーダーに最も必要なのは総合判断力・決断力(胆力)、調整組織力。その基盤は私心(私欲)のコントロールにある」と結論された。
原氏は「日露戦争は児玉がおぜん立てして勝利し、幕引きまでやった、児玉源太郎の戦争であった。もし、児玉なかりせば日露戦争の勝利ができたかどうか」と語り、「児玉源太郎は戦前の陸軍ではあまり評価されなかったが、単に軍人のワクをはみ出した台湾総督時代の善政を含めて政治家、リーダーとしても傑出した人物であった」と高く評価した。
目下、日本ではグロバリゼイションによる政治的な混乱が続き「政治家、リーダーの真のリーダーシップとはなにか」「日本の近代史のなかで真のリーダーはだれなのか」「日露戦争の真実」など歴史とリーダーシップの見直しが起きており、今回、大変時期にかなった講演となった。
この講演会の内容を原氏と「自然環境と人間性生活を考える会」の了解をもとに、公開します。(前坂俊之)

『日露戦争と児玉源太郎』について講演レジメ

                 原剛(軍事史学会副会長)
はじめに

山県有朋の歌碑—「越えばまた 里やあらむと 頼みてし 杖さえ折れぬ老の坂道」児玉源太郎の死を惜しみ歌った歌(江ノ島の児玉神社境内)・墓地  多摩墓地児玉を祀る神社 徳山の児玉神社、江ノ島の児玉神社銅像 満州新京(長春)の児玉公園・墓地  多摩墓地

1 日露戦争の概要

日露戦争の意義—①朝鮮・満州の支配権をめぐる日露の戦い②日本が国際的地位を確立③アジア諸民族の独立気運を盛り上り④欧米の帝国主義体制の中へ参入し大陸進出の基盤を確立

2 日露戦争の特色—①国家総力戦の先駆け②火力の威力発揮③交戦国外での 戦争④英露対立の中での戦争
3 日露両国の戦略
4− 日露両国の戦力
5−日露戦争の国内的影響—①戦術思想、陸軍白兵主義、海軍大鑑巨砲主義、②中国人蔑視感

2 児玉源太郎の経歴、軍歴

(1)児玉源太郎の経歴概要
(2)児玉の軍制改革①国土防衛体制の整備~師団制、要塞建設
       ②国土防衛基盤の整備~鉄道;道路、地図、工廠
        ③戦術特に現地戦術教育~メッケルの教育導入
(3)人材の育成

3 日露戦争における児玉源太郎
積極作戦計画、開戦指導
(1)参謀本部次長・ 降格人事・積極作戦計画 ・開戦指導・満州軍総司令部の編成
(2)満州軍総参謀長.積極作戦指導—ロシア軍の集結未完に乗じて決戦、旅順攻略問題、203高地攻略指導、遼陽,奉天会戦、戦争終結指導

4 日露戦争後の児玉源太郎

         ・満州経営問題・国防方針策定これらを積み残し燃え尽きた
おわりにリーダーに必要なのは総合判野力・決断力(胆力)調整組織力。その基盤は私心(私欲)のコントロールである。

http://maechan.sakura.ne.jp/japanese_r/data/08.pdf
http://maesaka-toshiyuki.com/detail/603

この動画について
URLhttps://www.youtube.com/watch?v=O60QvMuZzGg
動画IDO60QvMuZzGg
投稿者前坂俊之チャンネル
再生時間21:39

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