チャンネル登録はこちら
⇨http://goo.gl/5PUmVF
【怖い話】(私は学校にいた。中学校だ。)ばりばりばりばりばりばりばり ばりばりばりばりばりばり【ゾッとする怖い話大百科】
私は学校にいた。中学校だ。
もう随分前に卒業した。
これが夢だとすぐに気づいたのは
あまりにも校内がしーんと
静まりかえっていたからだ。
何より今の自分に中学校に来る用事などない。
少々不気味ではあったが、
緑色の廊下や歩くとミシミシいう教室は
懐かしかった。
しばらくぶらついていると、
廊下の隅にあるトイレが目に付いた。
(はは、懐かし)
中学時代の私は胃腸が弱く、
授業中にトイレに駆け込むことも
しばしばあった。
だから、変な言い方だが
トイレは結構身近な存在だった。
キィっとドアを開けて中に入る。
相変わらず汚い。
私はなぜか吸い込まれるように個室に入った。
洋式トイレにどかっと腰を下ろす。
(何で、俺こんなことしてんだ……?)
そこでようやく私は自分の行動の
異常さに気づいた。
そう、なんで私は夢の中で
トイレの個室なんかに入っているんだ、と。
じわじわと恐怖感が芽生え始めた。
(怖い、怖い! 何で俺トイレなんかに
入ってんだよ……!)
軽いパニック状態に陥り、
キョロキョロと周りを見回した。
すると、動いたはずみでかさっという音が
上着のポケットから聞こえた。
何だろうと思って引っ張り出してみると、
それは何の変哲もない一枚の紙。
くしゃくしゃに丸まっていた。
開いてみる。
そこには私の筆跡と思しき字で
こう書かれていた。
「ばりばりばりばりばりばりばり
ばりばりばりばりばりばり
ばりばりばりばりばりばりばり」
(ばりばり……?)
意味が分からない。
元々字が汚い私であるが、
そこに書かれている字は
それに輪をかけて汚く、
ひどく焦って書いたような印象があった。
首をかしげて疑問符を浮かべていると、
一番奥の個室から物音がした。
(!!!)
びっくりした。
誰もいないと思っていたのに。
音は断続的に続いていた。
自然とそっちに耳を傾けると……
「ばり……ばりばり、ばりっ……ばりばり」
心臓が飛び出るかと思った。
ばりばり……紙に書いてあったのは
このことだ。
でもこの音源がなんであるのかは
全く見当がつかなかった。
ただ言えることは、なにか軽い感じの
音ではなくなんとなく重い感じの音だった。
私は今すぐ逃げ出したい気持ちだったのに、
どういうわけか壁をよじ登って
上から音源の個室を覗き見ることにした。
もちろん細心の注意を払って
音一つ立てないようにだ。
私は見た。私の個室からは隣の隣に
位置するためすべて見ることは
出来なかったが、音源が人間であることは
分かった。それも女の子だ。
黒髪の。
おかっぱで。
そう、まるでみんながイメージする
「トイレの花子さん」そのまんまだ。
髪の毛が邪魔で何をしているかは
分からなかったが、そいつが
何やら頭を上下に動かすたびに
またあの「ばり、ばり」という音が響いた。
私は自分でも驚いたが、
信じられないほどの勇気をもって
さらに身をのりだした。
そこで私は見た。
少女が、人間の生首を頭蓋骨から
ばりばりと食ってるのを……。
私は絶叫した!
もうなりふりかまっていられない!
殺される!
ドアを蹴破って個室を飛び出した。
足がもつれて男性用便器に激突したが
それどころじゃない!
振り向けば一番奥の個室が
薄く開きはじめていた。
(やばいやばいやばいやばいやばい!!)
全力疾走。トイレを出て階段を目指す。
母校だけあって校内の地理は完璧だった。
自分がいるのは地上三階。
3段、4段飛ばして階段を駆け下りる。
すぐに一階にたどり着いた。
そこで私は異様な光景を見た。
下駄箱には片足の無い少年や、
和服姿の女の子、その他にも
妖怪のような気持ちの悪いやつらが
うようよしていたのだ。
でもそいつらは私を珍しがっていた
ようだが敵意は無さそうで、
すぐに襲いかかってくるような
気配はなかった。
私はほっと安心する間もなく
校庭に出る扉に飛びついた。
一つ目の扉には鍵がかかっていて
開かなかった。
二つ目も三つ目も。
四つ目にも鍵がかかっていたのだが、
これだけ内鍵? のような仕様で、
ひねれば簡単に開く鍵だった。
開けるなりまた蹴破るように外に飛び出した。
「やった! 助かった!」
やった、助かった……?
自分で言ってなんだか変な感じがした。
何で外に出ただけで
助かったなんて言えるのだろうか。
ここにきてやっと私は思い出した。
(俺、この夢見たことある……)
そう、前に一度だけこれと
同じ夢を見たことがある。
あのばりばりというメッセージも
前の夢で自分が書いたものなのだろう。
この扉を出てすぐ右手にフェンスを
切り取って作ったような簡単なドアがある。
前の夢ではそこを出た瞬間に目が覚めたのだ。
だからゴールが近いということを
知っていたから「助かった」
などと言ったのだ。
例えばりばりが追っかけてきたとしても、
ダッシュで走ればもう追いつかれない
という自信すらあった。
そう思って私は扉の方を見た。
絶句した。
私が通っていた頃のその扉は
常時開け放たれていた。
それなのに今は閉まった状態であり、
おまけにごつい錠前までしてあった。
「うそ……
うそうそウソだろふざけんなっ!!」
私はすっかり忘れていたのだ。
最近小学校や中学校も物騒になってきており、
登下校時間以外は全ての門を
閉めておくことになっていたのだ。
私が前にこの夢を見たときには
そんな規則はまだなかった。
だから門はいつも開いていた。
私はどうしていいか全く分からず
天を仰ぎ見た。
するとトイレの窓から誰かが
こちらを見つめているのに気がついた。
ばりばりと目が合った。
鳥肌がぶわっとたった。
全身の毛穴が開く感じ。
背筋が凍ったような気がして
体温も急激に下がっていった。
「逃げなきゃ! 逃げなきゃ! 逃げなきゃ!」
私はとにかく走った。
あいつから少しでも離れなきゃいけなかった。
そこで私は思い出した。
確か給食センターの車が入る門がある。
あれはかなり低いので
よじ登ることだってできるだろう。
そこへ向かってがむしゃらに走った。
確かめてはいないがすぐ後ろに
ばりばりがいるってことが何となく分かった。
しかも自分より速い。
50メートルもしないうちに
追いつかれるような勢いだった。
もうここからは感覚というものが
ほとんど無かった。
ただ走って、門が見えて、
それを全身で這うようにして登った。
最後は転がり込むように
門の外へ身を投げ出した。
(助かった。今度こそ)
そう思った。わけもなく。
ただ絶対自分は助かったという
安心感があった。
私は視線を外から学校へと向けた。
ばりばりとの距離が
どれだけ縮まっていたのか
確かめておきたかった。
振り向いた瞬間、私は再び肝を冷やした。
ばりばりとの距離は無きに等しかった。
もう目と鼻の先にあいつがいた。
私の頭蓋骨を両手で掴みとらんと
ばかりにこれでもかと伸ばした状態で
固まっていた。
そしてあいつはこう言った。
「今度は殺せると思ったのに」
そこで私は目が覚めた。
当然のごとく全身は汗びっしょり軽く
めまいすらした。
起きて私がした行動は、この夢を
忘れないようにノートにメモを取ること。
あまりにも怖い夢だったので
後で誰かに話したかったのだ。
しかしメモなんて滅多にしたことないので
すぐにノートは見つからなかった。
本棚の奥にあった古びたノートを
やっと見つけ、開いた瞬間また私は絶句した。
「ばりばりばりばりばり
ばりばりばりばりばりばりばり」
ノートの最後のページには
確かにそう書いてあった。
私は恐怖のあまりしばらく動けなかった。
一度目の夢はほとんど記憶にないが、
わりと楽に逃げ切れた気がする。
二度目は今話した通りだ。
でも三度目は……考えただけでぞっとする。
はっきりいって今度また
あの夢を見たら逃げ切れる自信はない。
もし今後、新聞かなにかで
「寝たまま死んでしまった人」
なんて記事があったら、
それはもしかしたら私かもしれない。
絶対そんなことは起きてほしくないけど。
チャンネル登録はこちら
⇨http://goo.gl/5PUmVF
引用元
http://kimyo.org/kikai/kikai.l/kikai.l001.htm
音楽引用元(フリー音源)
https://www.youtube.com/audiolibrary/music
この動画について | |
---|---|
URL | https://www.youtube.com/watch?v=CCkdGZdm7_U |
動画ID | CCkdGZdm7_U |
投稿者 | 甘い青りんご漫画館 |
再生時間 | 10:10 |
コメント